おもしろコラム8月号
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若き日の王貞治さんが荒川コーチの下で猛練習を繰り返し、強打者として花開いたのを見た土井正三氏が「私にも・・・」と申し出たところ、荒川コーチは少し考えて「やめておきなさい。君の体力ではその前に壊れてしまう」と却下したという話を思い出します。これなども、練習量以前に王さんしか持っていなかった「頑健な体力」という才能と、そこに特化しての成功    8月号-98  という面を見ることが出来るでしょうか。また、これと同様のことを、サッカー解説者の水沼さんが言ってました。現役時代、何かの大会を前に、「日本代表として惨めな試合は出来ないということで、死ぬほど練習して、太ももにはおかげでもの凄い筋肉がつくようになった。このときアルゼンチン代表でマラドーナが来日したが、彼の太ももを見て、びっくりした。彼の太ももは死ぬほど練習して付いた俺の太ももよりはるかに大きく、自分たちが限界まで鍛えてこの太ももなのだから、それを見た瞬間、『あ、これはもう、努力して付いたんじゃないな・・・。最初から付いてたな』と思った・・・」と。    

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