おもしろコラム9月号
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か・・・と。     (小説家 明治期、医学界の権威だった医師の回想として、「今まで、色々な政府高官を診てきたが、地位が上がるに連れて能力も比例して上がっていった人は少ない。多くが、地位と能力は反比例している」というようなことを言い、続けて、「地位が上がるに連れて能力も上がっていったのは児玉源太郎大将と陸奥宗光元外相の2人だけだった」と言ったとか。なるほど、児玉も陸奥も、確かに、人一倍、聡明な頭脳の持ち主ということは知っていましたが、地位が上がるに連れて能力も上昇していったという話は少々、意外でした。この二人は、あるいは、非常な努力家であったのかもしれませんね。そのうちの一人、児玉大将ですが、私の好きな映画に二百三高地というのがあり、この中で、とても教訓に値する場面がありました。104年前の日露戦争開戦前夜、遂に開戦を決意した明治政府は、事に臨まんとして、児玉源太郎陸軍大将を内務大臣から格下に当たる総参謀長(事実上の陸軍の作戦指導責任者)に転任させました。(ドイツは、この人事で、日本が開戦するハラを固めたことを推察したとか・・・。)池田平太郎絵:吉田たつちか)201009/-     児玉大将の地図を持たない人々への喝!121

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