おもしろコラム9月号
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なかったが、このときばかりは、「君は鬼だ!」と言って、突っかかってきたそうです。そうこうするうちに、手塚治虫は締め切り前日になって、「第四話が書けない」と言ってきたそうで、「連載作品なのに!」ってことになり、大慌てで、その担当者が家に駆けつけ、「書いてもらわないと困る!」と言ったところ、手塚は「今日だけは、今日だけは、勘弁してくれ!」と言って、そのまま、家を出て行こうとした。担当者は、「冗談じゃない!書いてくれなければ困る!」と言って、ドアの前に立ちふさがって、手塚治虫を肉弾で突き飛ばし、肩をもんで、むりやり、椅子に座らせた。手塚と言う人は、日ごろ、連載に穴を開けるようなことはなかったし、人を悪し様に言うような人では   138

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