おもしろコラム9月号
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先日、築地場外市場で大規模火災が発生した。火事が発生した半月前に、孫たちと同所を訪れたばかりだったので、よけい驚いた。火元となったラーメン店の従業員によると、出火したと思われる時間の1時間前には火を消していたと言っている。失火の原因は「伝導過熱」である可能性が高いという。聞きなれない言葉だが、火そのものが直接火災の原因になったわけではなく、火を使っていた横の壁に熱が伝わり、過熱されて発火したもので、これを、伝導過熱と言うのだそうだ。消防の調べで、今回の火災の火元となったガスコンロがあったすぐ横の壁は「炭化していた」ことが確認されている。伝導過熱火災が起きる原因とメカニズムは、調理場の壁のように防火のためにステンレスなど金属の板でカバーがしてあっていても壁の素材そのものが木製の板だったりすると、ガスコンロの熱が壁にも伝わり、木材部分に熱がこもっている。長時間・長期にわたってこのような状況 「伝導過熱」の危険    167

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