おもしろコラム9月号
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でもせっかくあなたがいらしてくださったのですから、黄泉神(よもつかみ)に相談してみます。けっしてわたしを見ないでくださいね」と答えました。妻がなかなか戻ってこないので、待ち侘びた伊邪那岐命は、自分の髪を止めていた櫛に火をつけて、その場に光を灯してしまいました。すると、足元には蛆虫(うじむし)が全身にたかり、頭には大雷(いかづち)、胸に火雷(ほのいかづち)、腹に黒雷、女性の陰部には折(さき)雷、左手に若雷、右手に土雷、左足に鳴雷、右足に伏(ふし)雷の、八柱の神さまを伴った姿が横たわっていたのです。伊邪那岐命は恐れをなして逃げようとしたとき、伊邪那美命に見つかりました。伊邪那美命は、「わたしの恥を見てしまいましたね」と言い、黄泉醜女(よもつしこめ)に伊邪那岐命を追いかけさせました。ここから、伊邪那岐命と黄泉の国の住人たちとの追いかけっこが繰り広げられるのですが、そのお話はまた次回お届けします。またたくさんの新しい神さまが誕生していきます。     (コラムニスト 気象予報士 CHARLI)絵:そねたあゆみ)201709/-     170

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