おもしろコラム9月号
28/182

[]   田舎暮らしの楽しみの一つは、様々な昆虫との出会いである。我が家のベランダに年に2匹は玉虫が飛び込んでくる。口の広い瓶に草を入れ玉虫を入れて、知人の孫にあげたら大変喜ばれた。都会では絶対に捕獲できない珍しい虫だ。玉虫は、その名の通り、神々しい輝きを放つ虫だ。鮮やかな色彩の石や宝石を思わせる存在は、自然界の驚異の一つである。タマムシの羽の地色は緑色だが、見る角度によって緑や赤が強調されて光る。これは、構造色と呼ばれ、実際に赤い色がついているのではなく、タマムシの場合は、透明な層が何枚も重なることによって生み出される色だ。このような層が重なることによってできる構造色を持つ生き物は、玉虫以外にも、アワビの貝殻の内側やオオゴマダラの蛹、サンマやイワシ、ネオンテトラなどにもみられる。一方、溝や突起があることによって構造色ができることもある。CDが角度によって色が変わって見えたり、クジャクやカワセミの華麗な色は、微細な溝や突起によって出来た構造色によ 自然界の宝石玉虫27

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る