おもしろコラム9月号
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るものだ。構造色が様々な色に見えるのは、光が多重の層や、微細な溝や突起によって干渉し合い、その干渉の仕方が場所によって異なるためだという。法隆寺の玉虫厨子の金具の下に,玉虫の羽がはってあるのでこの名があるが、現在ではほとんどなくなっている。玉虫厨子の復刻版と平成版の2基を新造、復刻版は現在法隆寺に奉納され、毎年催される春と秋の秘宝展にて定期的に展示公開される。平成版は茶の湯の森美術館(岐阜県高山市)にて常時公開している。復刻版は実物が忠実に再現されているのに対して平成版は蒔絵や錺金具の奧にも玉虫の羽が数多く使われ、蒔絵技法もふんだんに用いられているため立体感があり、現代の最高技術が遺憾なく発揮されている。を用いて調べたところ、約20枚の羽が使われていた。玉虫装飾の馬具は、新羅の首都があった韓国・慶州の位が高い人物の墓5か所で見つかっている。玉虫の羽は死後も色褪せずその輝きを保ち続けるため、金運だけでなくその人の地位すらも押し上げる力があるとされている。玉虫に出会うことで、私たちは自然の美しさと儚さを同時に感じることができる。それは、生命の尊さや、人間と自然との共生の大切さを再確認する機会となる。玉虫は、その存在自体が私たちに多くのメッセージを伝えてくれる。 (文:ChatGPT勝爺2013年には玉虫の羽で輝く馬の装飾具が古賀市で出土された。九州歴史資料館でコンピューター断層撮影法(CT) /.-     絵:stockadobe)202309 28

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