おもしろコラム9月号
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秋に入り、ナシの美味しい季節になりました。ナシは比較的地味な果物ですけれども、いくつかの健康機能をもっています。今回はナシの効用について紹介致します。まず、栄養成分の紹介の前に、「ナシ」という名前についてですが、語源については諸説あるようです。一例を挙げさせていただきますと、江戸時代の学者新井白石は中心部ほど酸味が強いことから、「中酸(なす)」が転じたものであるとしています。この一風変わった名前の「ナシ」は、忌み言葉「無し」に通じることから、家の庭に植えることを避けるという風習がある一方、鬼門の方角にナシを植えることで「鬼門無し」として、むしろ積極的に利用されることもあるようです。ものは、考えようですね。さて、栄養成分についてですが、ナシにはソルビトールという甘味成分が多く含まれています。ソルビトールは、糖アルコールというものに分類される特殊な糖分ですが、水に溶けるとき熱を吸収する作用があります。よく、ガムなどに配合されていて、ソルビトール入りのガムを口に入れたときにとスーッと清涼感がするのは、ソルビトールの吸熱反応によるものです。また、ソルビトールは低カロリーかつ虫歯になり難いという特長があります。さらに、ソルビトールには炎症を抑 夏バテ回復に効く「ナシ」     30

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