おもしろコラム9月号
39/182

められてやってきた、ちょっと昔ならまさに山海の珍味であり、舶来品であり、信じられないくらいに贅沢なものであるといえないでしょうか?これは日本だけではなく、地球に住むほとんどの人類にも言えそうです。人類ほど、地球上のありとあらゆる場所から、食料を集めてきて食べる生き物はいません。 「そんなのは20世紀以降のことでしょう。それ以前のほとんどの人類は、王侯貴族や大富豪以外の人たちは、地元でとれる食べ物を食べて生きていて、そんなに贅沢な生活はしていないと思うのですが?」と、おっしゃる方もいることでしょう。はい、その通りです。人類は、特に先進国の人類は、人類誕生以来、もっとも贅沢な食生活をしているといえますが、昔の人たちの食生活は、基本的にとても質素なものでした。まず、その土地や近くでとれる食料が、あくまで基本的な食材。贅沢をする以前に、食料の安定供給が大切。誰だって飢えたくはありませんものね。そのため、人類は各地各地で、自分たちが飢えないよう少しでも楽に生きていけるように食文化を作りあげてきました。●食文化は損得勘定が決める?    38

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る