おもしろコラム9月号
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タリアン和食の一流料理人が、チャレンジャーからの挑戦を受け対決するという番組でした。このように日本のグルメブームは、漫画、映画、テレビといったメディアが起こしたものだったのです。そしてそれはやっと豊かになった大衆が求めたものといってもいいでしょう。グルメブームのときに人気が出たのが、イタリア料理です。イタリア料理のことを若者たちが「イタ飯(メシ)」といって、好んで食べるようになったのが、ちょうどバブル経済絶頂期である90年前後。それまでイタリアの料理といえば、ナポリタンやミートソース・スパゲティにマカロニ程度しか知らず、麺もうどんのようにコシがなくなるまでゆでていて、ナポリタンなんかも、焼きそばのようにフライパンでソースを絡めるのではなく、炒めていた時代から、ようやく「アルデンテ」、つまり麺に髪の毛一本分の芯を残すようにゆで上げることを知った時代でもありました。またフランス料理ではなくイタリア料理が流行ったわけは、いかにバブル全盛の時代とはいえ、本格フランス料理はまだまだ敷居が●イタメシと言われたイタリア料理    48

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