おもしろコラム9月号
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現在、地球には8億人以上の人が飢餓状態にあります。しかし世界中でとれる穀物の約40%が家畜の飼料として使われており、牛肉1キロを作るのに13キロの穀物が必要です。豚肉1キロだと7キロ、鶏肉1キロだと4キロ、卵1キロつまりもし世界中の人々が肉食をやめ、ベジタリアンになるとたちまち世界中から飢えで苦しむ人を救うことができるのです。でも、そんなこと、なかなか難しいですよね。人類というのはもともと肉が大好きな生き物です。ポーランドはかつて社会主義国家でした。1980年、ポーランド政府は配給の肉を20%カットしたとき何が起こったかというと、まず主婦たちが怒り「肉をよこせ」と叫びやがてそれは全国的なストライキに発展、やがてポーランドの社会主義は崩壊してしまいました。このときポーランド人が飢えていたのかというとそうではなく、十分な栄養を摂取していたのです。人類の肉食への想いおそるべし!江戸時代以前の日本でも、まったく肉を食べていなかったわけではなく、魚肉や野鳥、ニワトリは普通に食べていましたし、イノシシを「山くじら」、シカを「ぼたん」と称して食べていました。また、日本人も肉の想いが強かったらしく、鳥の雁(がん)の肉を真似て「ガンモドキ」などを食べていました。「ガンモドキ」代表されるもどき料理は言ってみれば「人造肉」ですが、現在のベジタリアンやヴィーガンも好んで食べているようです。●飢餓と肉食●未来の肉は人造肉か?      61

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