おもしろコラム9月号
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上あり、それぞれの種類にさらに数百種類の型が発見されています。そのため一口に風邪と言っても数万もの原因が考えられるのです。 現場では医師の多くが解熱剤や咳止めなど、風邪の症状を和らげる薬を処方します。しかし、人体において病原体これではウイルスの特定が困難で、ワクチンを作ることは事実上不可能です。と戦う白血球は熱のある状態でこそ働きが良く、せきは病原体を排出しようとする自然な働きです。つまり、風邪の症状を和らげようとするほど、人体が病原体と戦う免疫力が下がってしまうのです。最近では医師もビタミンCや栄養剤を処方して、本来人体に備わっている免疫力を強くすることで、風邪を治そうとすることが多くなっています。民間療法で風邪に効果があるとされる卵酒は栄養たっぷりで、果物にはビタミンCが含まれています。昔の人は免疫力が風邪を治すのだということに気がついていたのかも知れません。風邪を治す特効薬が見つかったとしても、それは風邪を治すことしかできないでしょう。さらなる研究が待たれるのは、どんな病原体とも戦うことができて、古来から人体に備わっている免疫力の働きです。免疫力の研究が進めば、風邪だけでなくしつこい水虫、そして    多くの人が未だに苦しむ癌でさえも、完全に治せるかも知れませ94

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