おもしろコラム9月号
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 健康食品は本当に効くのか!?健康食品は本当に効くのかとよく聞かれることがありますが、なかなか難しい問題です。そもそも健康食品の役割として病気の治療よりも病気にならないような体作りであったりもするわけですから、その効用を検証するというのはなかなか困難な作業です。厚生労働省は薬事法を盾に取り、健康食品が病気に効くとか病気が治るという表現を使わないよう強く指導しています。例えば「糖尿病の方に向いている食品です」というような特定の病気に効果がある(かもしれない)ことを暗示することさえもいけないということになっています。唯一の例外が、特定保健用食品(トクホ)なのですがこれも医薬品ではないので治療効果を表現することも特定の病名を挙げることも許されてはいません。許されているのは、「血糖値の気になる方(=糖尿病の方を暗示)に適した食品」、「血圧の気になる方(=高血圧の方を暗示)に適した食品」というような靴の上から痒いところを掻くような表現までです。そこで、健康食品業界では各健康食品素材の研究成果をメディアに流し、間接的にその食材が何に効くのか広報していくという手段がとられています。しかし、注意をしなければいけないのが、それらの研究成果の証拠レベルがどれほどのものかということです。医学的な証拠のレベルには大まかに言って3段階があります。一番基礎的なレベルとして、インビトロ(n=試験管内での実験)次にインビボ(n vivo=生体内での実験、動物実験)、そして最後にヒト試験(臨床試験)と vitro  ii    98

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