一周の旅に出た。といっても、当時は飛行機がない時代、船で西回りで行って、東回りで帰ってくれば、自動的に世界一周になるわ 11月号-134 けで。主目的地は、大英帝国の首都・ロンドン。（時代は日露戦争開戦の２年前であるから、おそらく、イギリスの動向調査の目的があったのだろう。）弥之助はこのとき、ロンドンに約７０日間滞在し、イギリス政財界の要人を招いてのパーティなどをたびたび行っているから、弥之助が泊まった部屋は当然、最高級スイートルームだったはず。現在、ロンドンの最高級スイートは１泊１５０万円と言うから、７０日で１億５００万円・・・。当然、これは、あくまで、ロンドンでのホテル代のみ。これに、他の国での宿泊費に、客船での宿泊も含めた交通費、それに、金に糸目を付けない交際費に、随行者の費用・・・。合計７ヶ月でいったいいくらになったんだ？と。ここに参考となる数字がある。弥之助に遅れること６年後の明治 時節柄の話を少々。明治３５年（1902年）、三菱財閥の二代目当主・岩崎弥之助は7ヶ月にも渡る欧米視察世界 失意の時の友こそ真の友
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