おもしろコラム11月号
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) を立てて近づく。黙って来れば、手で潰されまいに、正々堂々と来るのである。第2は、刺された時に痛くないことと、刺されたあとが赤く腫れてかゆいことだ。蚊が吸い取る血液など微々たるもの(1で知らせる必要があるのだろか?蚊の針口が刺さった時になぜ痛くないなかを真剣に研究している人がいる。その秘密は、蚊の口である針の形状にある。針はキチン質というしなやかな物質でできていて、太さは80マイクロメートルと非常に細く、先端がノコギリのようにギザギザしていて、この針を皮膚に突き刺すのではなく、上下に細かく振動させながら、皮膚や筋肉の細胞を押しのけるようにして、切り開きながら刺していくことで、痛みを感じさせないのだという。すなわち、針自体が非常に細く、さらに先端がギザギザしているおかげで皮膚と接触する面積が小さくなり、摩擦が少なくなるのが痛くない秘密なのだ。これをヒントに、東京の町工場の親父が痛くない針(マイクロテーパー針ている。2~3ケ月に1回、通風の薬を貰いに整形外科に行くたびに、血液検査をしてもらっているが、注射が大嫌いなので、採血に、この針を使ってくれと、先生にたのんだら、この注射器は先端の外径02ミリ/内径008ミリという細さの中で、根本から先に行くほど細くなるというテーパー形状をしている特殊針を使っているので、少量の薬を注射するにはいいが、採血のような大量に血を抜く用途には適さないと、断られた。蚊だって、細い針で血を吸っているのにと、食い下がったが、採血量が違うと相手にされず、看護婦さんにも笑わ11月号-163/   ..  //    れた。     (ジャーナリスト mg)だから、痛くなくてかゆくなければ、黙って吸わせてやるのに、なぜ、吸った痕跡をわざわざカユミ井上勝彦絵:そねたあゆみ)2013{11岡野工業テルモを作り評判になっ

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