おもしろコラム11月号
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日本のカードゲームの代表的なものに、花札がある。これは、天正年間(1573~1585)に入ってきたポルトガルのトランプのようなものが、日本人でも楽しめるように改良されたもので、今でもゲームの一つとして残っている。別名、花カルタとも言う。1月から12月の季節の花をカードに現し、各4枚ずつ、計48枚の組み合わせにより、点数を競う。11月の札で、雨の中、傘をさす烏帽子姿の男性の目の前で、蛙が柳の枝に飛びつこうとしているものがあるのをご存知であろうか。この男性は、実在の人物だ。小野東風という書家で、歌人として、また恋多き女性としても有名な小野小町の従兄にあたる人。書家として大成しながらも、慢心をせず、晩年まで努力11月号-179を続けた人らしい。彼に努力の素晴らしさを教えたのが、花札に彼と共に描かれている、蛙だ。          蛙が教える努力の素晴らしさ    

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