おもしろコラム11月号
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無理なことだと、眺めていた。しかし、次の日に同じ柳の木の前に来てみると、また蛙が挑戦しているではないか。そして、遂に蛙は柳の枝につかまることが出来たのである。この様を見つめて東風、日々精進を続けていれば、何事も成し遂げられると悟り更に努力を重ねるのだった。この話は『小野道風、青柳硯』という歌舞伎にもなっている。歌舞伎では、ガマ蛙が柳の枝に飛びつくという設定になっているが、ガマ蛙は地面をノソノソを這う程度の脚力しか持ち合わせていない。飛び上がることが可能なのは、雨蛙だ。寒さの増してくる11月には、雨蛙は活動をしていない。何故、この月の絵柄に描かれているか考えてみた。冷たい雨の降る11月だからこそ、逆境にもめげず、努力を怠るなということだろうか。そう深読みすると、花札も一味違った面白さも生まれてきた。     (文:講談師 旭堂花鱗絵:吉田たつちか) /    そあれるで日は、、東あ風のは札、に蛙描がか自れ分てのい背る丈蛙のは何何倍カもエのル高ださとにいあうるこ柳とのに枝なにる飛がび、つ日こ本うにと生し息てすいるる蛙のでを柳見のた枝。ほこどのの蛙高にさはま到で底    11月号-180  

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