おもしろコラム11月号
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    町おこしは民泊から駅前がャッター通り化しているのは、日本の田舎の定番の風景となっている。加えて、超高齢化社会の波及現象として、空き家が増えており、こちらの問題解決も急務だ。小生が2年前の2年間町内会長を務めた地区は、約80世帯のうち、別荘と定住者が半々であった。地元の不動産業者の協力を得ながら空き家解消に努力してみたが、新たに入居したのは3世帯だけだった。 夫がドイツ人で妻が日本人の若夫婦は、町内で最も高額で売り出されていた家(別荘だったところ)を購入、その後、子供も産まれ、町内清掃行事などにも欠かさず参加して、早くも地域に溶け込んでいる。また、妻を祖国に残したまま日本に単身赴任しているというブルガリア人の男性は古い別荘を格安で購入し、コツコツと自分でリフォームしている。一部朽ちていた1階の床板をはがしたら、竹が飛び出てきたと驚いたというが、めげずに、楽しそうにリフォームにチャレンジしている。自動車整備士を定年退職した後、老後を姉と田舎暮らしをしたいと空き家を購入したBさんは、なんでも器用にこなすので、木の伐採や道路の改修、側溝の修理など、町内で無くてはならない人気者となっている。実は、彼の購入した家は数台置ける駐車場と小さな畑もおまけでついていたのに、格安で購入できた。理由は、その家までの道路が規定より狭く、法的には建て替え出来ない場所だったからだが、前の持ち主が高齢で介護施設に入居したため、急11月号-195遽激安で売りに出したもので、空き家期間が短かったので、ほとんど補修いらずで住むことができた。釣りが趣味の彼は姉さんを助手席に乗せ、小型車のルーフに小型ボートを載せて、釣り三昧の日々をおくっている。    

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