おもしろコラム11月号
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●ようかんってなんで羊羹って書くの?ふとテレビを観ていると、羊羹(ようかん)で有名なある和菓子店が、建て替えのためしばらく休業というニュースをやっていました。そのときふと「ようかんのことを、なぜ羊の羹(あつもの)って書くのか知らない人も多いだろうなあ」と思い、そこからようかんや中国料理の歴史について書こうと思いつきました。ようかんは、平安時代の終わりぐらいに、中国から入ってきたとされているのですが、あいにく当時の日本は仏教の影響で、肉をおおっぴらに食べなくなっていました。さらに日本には、羊を飼って食べるという風習もありませんでした。そして当時、美食をリードしていたのは、お寺の精進料理。精進料理はお坊さんが食べるために開発された料理ですから、当然お肉は含まれません。そのかわり、当時のお坊さんたちは、お肉の代わりになるものを作り上げます。その例が『がんもどき』。これは鳥の雁(がん)のもどき料理です。「もどき」とは、似ているけど偽物という意味。羊羹は、羊のスープを作るときにできる「煮こごり」を真似て作ったようです。羊羹の煮こごりを真似た精進料理が、すでに中国にあったのか? かりませんが、少なくとも日本では、羊のスープが冷めたときにできる煮こごりを真似たものを『羊羹』と呼ぶよう11月号-39あるいは日本で開発されたのかはわ      中国料理の謎        

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