おもしろコラム11月号
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●宋の時代、牛肉や豚肉はあまり好まれなかった謎になったと言われています。おもしろいですね明治大学の張競教授の『中華料理の文化史』によると現代の中国では、お肉の値段の高い順に並べると、牛、鶏、豚、羊という順番になるそうです。しかし、宋の時代(960年~1279年)では、牛肉や豚肉はあまり食べられ    11月号-40  ていなかったといいます。理由は、牛は農耕のトラクター代わりに使うため、食用が禁じられていたことと、豚は犬や猫のエサ用の安い下等な肉ということで、あまり好まれなかったといいます。宋の時代の書物には、豚肉のことを「「泥みたいに安く、金持ちは見向きもしない」と書かれており、いつの時代でも、金持ちより貧民が多いのが普通ですから、庶民の食べ物だったのでしょうね。現在の中国では「四本足で食べない物は机と椅子だけ、二本足で食べない物       は両親だけ、空を飛ぶ物で食べないのは飛行機だけ、水中に居る物で食べないのは潜水艦だけ」とすら、言われるくらい、なんでも食材にしてしまう中国料理ですが、宋王朝の時代に、豚肉が下等とされたのは、おそらく中国の漢民族は、4世の頃から、北方の遊牧民に支配されることが多く、宋王朝は漢民族の王朝

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