おもしろコラム11月号
42/200

●大昔の中国では、炒め物は一般的ではなかったですが、金持ちが羊を好むのは、そういった遊牧民の影響があったと考えられます。現代でこそ中華鍋で強い火力で作る炒め物が、中国料理の代表格となっていますが、炒め物は比較的近代になってから、中国の代表的料理法になったと言われています。なんでも明王朝の時代以前の料理書に「炒」という字が入った料理は、あまりなく、現在のように代表的な料理法ではなかったようです。と、いうことは、中国料理に炒め物が代表的存在になったのは、中国最後の王朝である清王朝以降のことであるようです。●日々変化する中国料理中国4千年という言葉があるくらい長い歴史がある中国ですが、近年、中国の料理は大きく変化しました。例えば、エビチリソース、麻婆豆腐、担々麺といったピリ辛で有名な四川料理ですが、中国で食用唐辛子の栽培がはじまったのは18世紀から。麻婆豆腐は、100年ほど前に、陳麻婆と呼ばれるおばあさんが、作ったのが最初。エビのチリソースは、60年代、陳健民(テレビによく出てくる中国料理人の陳健一さんのお尊父)という日本に移り住んだ中国料理人が、「乾焼蝦仁」(カンシャオシャーレン)を日本人向けにアレンジして作ったもので、昔の中国にケチャップなどないことからわかるように、明らかに現代料理です。中国の北方では、長く小麦とトウモロコシが主食でしたが、80年代以降の経済開放政策により、人々は米の摂取量が増えているとのこと。       11月号-41

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る