おもしろコラム11月号
46/200

●当初マグロは人気がなかったは、あまりにも贅沢なものだったので、幕府の倹約令にふれてしまい罰を受けたというほどでした。さしずめ現在の回転寿司と銀座の高級寿司のようですね。いまは寿司でもっとも人気があるマグロですが、江戸時代は下魚で人気のない魚でした。大トロなんて猫もまたいで食べない「猫またぎ」と言われたり「マグロの脂身なんて食えたもんじゃねえ!」と言われたりしておりました。そこでマグロを醤油漬けにしたところ、多少は人気が上がったようです。マグロが人気の寿司ネタになるには、昭和中期まで待たねばなりませんでした。また冷蔵保存の技術がなかったのでネタは刺身を使うよりも、焼いたり酢で〆たり醤油の付けたネタが多かったようです。握り寿司が全国に広がったのは戦後になってからで、またたくまに寿司と言えば握り寿司となります。70年代はアメリカで寿司が大ブーム。やがて世界に広がり、その国独特の寿司も開発されています。     (食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ))201611 -    11月号-45

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る