おもしろコラム11月号
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●アレンジされていくうどんたちうどんと一口にいっても、ご当地によっていろいろあります。関西の薄口醤油のうどん、関東の濃口醤油のうどん、九州の柔らかいうどん、讃岐の歯ごたえがあるうどんなどなど、その土地の歴史や土壌、環境によってさまざまなうどんが生まれてきました。近年、生まれたうどんとしては『カレーうどん』なんかがありますね。カレーうどんは明治37年に東京の早稲田になる『三朝庵』という蕎麦屋で考案されたそうな。欧米の文化が怒涛のように流入していたこの時代、日本に古くからあったうどんという料理とイギリスから西洋食として入ってきたカレーが合体するのは当たり前といえば当たり前であったかも知れません。終戦直後に、焼きそばを参考に考案された『焼きうどん』。最近では、スパゲティのカルボナーラやトマトソースを使ったうどんを出すお店も増えてきました。前述した欧米のうどんも、その国の口に合うようにアレンジされているものも多いようです。うどんは兄弟分の蕎麦に比べて、クセが少ないためいろいろアレンジしやすいのかも知れません。食文化というのは、時代や環境によって変化し、新しいものが次々に生まれてくるもの。きっとまた、私たちが想像できないような美味しいうどんが誕生するのでしょうね。ちょっと楽しみで          す(笑)     (文:食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ))2017{11    11月号-48  

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