おもしろコラム11月号
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●超高級品の砂糖が気軽に食べられるようになるまでやがてヒトは果実を干したりして甘味を楽しむこともあったことでしょう。ドライフルーツはお菓子の原点であったかも知れません。しかしやはり、甘いものに革命を起こしたのは、砂糖という究極の甘味の発見であったはずです。太古の時代、砂糖はサトウキビから作られました。人類最初のサトウキビの栽培は紀元前8000年、ニューギニアからはじまったと言われています。そして西暦1世紀、インドでサトウキビから結晶を作り出すことに成功。砂糖の登場です。古代において、砂糖は薬として使われたりもしたようです。しかしここではそんなことは飛ばして、中世から近世にかけて砂糖を使ったデザートが中国でもヨーロッパでも作られるようになりました。しかしその時代は超がつくほどの高級品でした。この砂糖伝播の歴史もかなりおもしろいのです。ヨーロッパに砂糖が伝わったのは悪名高き十字軍遠征でイスラム帝国からであり、やがて中米などで砂糖を栽培するために、黒人奴隷が酷使された暗黒史などもあります。それはさておき、スイーツの歴史を語りましょう。砂糖がない時代は果実やハチミツが甘未の代表でした。近世になり砂糖が登場。ヨーロッパではバターなどの乳製品と砂糖が合体。18世紀のフランス革命までスイーツは、貴族など一部の特権階級のみの贅沢品でした。20世紀になると、スイーツは庶民も口にできる嗜好品となります。例えば昭和の日本では庶民の子どもたちが小銭を握りしめ、駄菓子屋にいってちょっとしたお菓子を買い食いすることもできるようになりました。          11月号-61

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