おもしろコラム11月号
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●破産、そしていよいよインスタントラーメンの研究へ!●即席めん作りに没頭2年後なんとか釈放されたものの、工場は空襲で破壊されてどうしたものかと思っていると、実力ある実業家として有名な百福さんに、新設のある信用組合の理事長になってくれないかという話しが来ます。引き受けた百福さんですが金融業は初めて。やがて信用組合は破たん、百福さんは破産してしまいます。かつて日本一の大富豪とまで言われた百福さんは借家住まいとなり、家具家財も差し押さえられてしまうありさま。文字通りの無一文となってしまうのです。このとき安藤百福47歳。当時の平均寿命が64歳ですから決して若いとはいえない年齢。このどん底状態からいよいよ、インスタントラーメンの研究がはじまるのです。百福さんは自宅に小さな小屋を建てました。そこが世界初のインスタントラーメンを開発研究する場所となりました。なぜ他の食べ物ではなくラーメンだったのでしょうか? を製造したこともあったのです。それは戦後の日本人が飢えと戦っていたころ、食べ物や栄養の大切さを思い知ったからでした。このエキスは厚生省(現厚生労働省)にも認可された優秀なものだったといいます。さらに戦後、日本中が飢えていた時代、庶民は闇市の屋台で並んでまでラーメンを食べていたのを見て強く印象に残ったといいます。当の百福さんも大のラーメン好き。お腹を空かせた日本人に、美味しいものを食べてもらいたい実は百福さん、以前にウシやブタの骨から作ったエキス            11月号-66  

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