おもしろコラム11月号
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●敵は類似粗悪商品それがどれくらい凄いことだったのか?実は『ラーメン』という言葉が我が国に根付いたのは、チキンラーメンによってでした。それまで『支那そば』とか『中華そば』と呼ばれることが多く、ラーメンはそれほど使われていなかったのです。ところがテレビの力は凄いもので、チキンラーメンのテレビコマーシャルと大ヒットによって、日本に新しい言葉が根付いたのです。もしチキンラーメンが生まれていなければ、もしかしたら日本にラーメンという言葉は消えてしまったかも知れません。いまでこそジャンクフード扱いをされているインスタントラーメンですが、発売当初、栄養が豊富な食べ物とみなされていました。なんといってもチキンのエキスが麺に染み込んでいるわけですから。厚生省は「妊産婦の健康養補給商品」に推奨されたくらいです。さらに百福さんは当時の日本人に不足していたビタミンを添付、厚労省から『特殊栄養食品』として認可されたくらいです。ところが、そんなときに大問題が起こるのです。チキンラーメンのあまりのヒットに、300社以上の企業がそれぞれインスタントラーメンを作りだしたのですが、中には非常に粗悪な商品を売り出し、食べた人が体調を崩したり中には食中毒を起こす人まで出たのです。さらに粗悪なニセのチキンラーメンまで出回り逮捕者まで出る始末。これは大問題。そこで安藤百福さんは一計を案じます。昭和39年(1964年)、安藤百福さんは、自分が開発したインスタントラーメン作りの特許を公開、多くの企             11月号-70  

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