おもしろコラム11月号
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●食文化を激変させた明治維新、太平洋戦争、もうひとつは●関東大震災が外食を広めた1923年(大正12年)9月1日、帝都大東京に未曾有の大地震が襲いました。死者行方不明者が10万5千人、          時代が激動するとき食文化も激動する時代が変化するとき私たちが食べるものも変化します。世界を見ると、例えばフランス革命が起こったことで、宮廷料理人が職を失いパリの街で食堂をはじめました。これがレストランのはじまりです。日本において大きな食文化の変化は、明治維新で西洋や中国の料理が入ってきます。もうひとつは太平洋戦争での敗戦後に欧米の文化が怒涛のように入ってきました。実はもうひとつ、日本の食文化が激動した時代があるのです。それは関東大震災。東日本大震災の死者行方不明者が1万9千人であったことと比べるといかに被害が大きかったかがわかります。関東大震災は大量の生活困窮者を生んでしまうことになります。政府はその生活困窮者を救うために安価で食事ができる公営の「公衆食堂」の設置を進めたのです。「公衆食堂」は大正9年に神楽坂に生活困窮者のために作られたのが第一号ですが、関東大震災まで公衆食堂を利用するのは、本当に困窮している底辺層のみで、一般の人はあまり利用しませんでした。その理由のひとつがまだ日本には外食の文化があまり浸透していなかったこと。基本、家で食事をするかお弁当で          11月号-74  

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