おもしろコラム11月号
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●外食文化から洋食が広がった●ちゃぶ台の普及す。あとはせいぜい屋台で食べる程度。それ以外の外食といえば料亭などですから、庶民は外食とかはそうそうできません。しかし関東大震災で大量の困窮者が出て、一般人も食堂で食事をするという外食文化が少しずつ根付いていったわけです。外食という文化が根付いてくると、当然民間でも食堂をやる人たちが出てきます。その人たちが目をつけたのが、それまで高級だった西洋料理を、庶民でも食べることができるよう安価で提供しようとするものでした。当時の日本人にとって、西洋料理は憧れのもの。庶民には手が届きません。そこで西洋料理を日本風に改良したトンカツやコロッケ、カレーライスが大衆食堂に出るようになります。トンカツといっても、ペラペラの薄い肉に衣をつけたもの。コロッケの中に入れるミンチは内臓肉と、現在のものと比べれば粗末なものでしたが、当時の庶民にとってはそれでも特別なものでした。洋食が広まるということは、洋食にともなってソース、ケチャップ、マヨネーズといった洋食用の調味料も広まることになります。いまみなさんのお宅での食卓はキッチンでのテーブルでしょうか? 居間で11月号-75     

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