おもしろコラム11月号
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人々に食べられるようになったといいます。 ならず豚や牛の飼料としても使われるようになり、食肉の生産量も増える結果となりました。いまやトウモロコシは米、麦と並ぶ三大穀物と言われていますが、ヨーロッパに入ってきた頃は、貧乏人を飢えから救った食べ物であり、家畜の餌だったのです。そういえば、筆者が漫画家のアシスタントをしていた若い頃たまたま住んでいたアパートの前にトウモロコシ畑が   あり、酒のツマミがなかったため、こっそりその畑のトウモロコシを失敬したことが何回かあります。そのトウモロコシは家畜の飼料用であったらしく、スイートコーンのような甘みもなく、家畜用ということで、それほど農薬も使っていなかったのでしょう茹でると必ずゲジゲジのデッカイのが浮かんでいるようなトウモロコシでした。でも、食べてました。当時のわたしは、貧民どころか家畜並の生活をしていたということでありましょう。     (食文化研究家 巨椋修)トウモロコシは収穫率が高く大量に作ることが可能なので、貧民のみ11月号-79

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