いとう広報2020-9
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大正時代■スペイン風邪の被害日本の状況かかった人数(人)21,168,398①大正7年2,412,097②同8年224,178③同9年23,804,673合  計※調査できた人数。実際にかかった人はさらに多い。(内務省衛生編局『流行性感冒』) スペイン風邪をのりこえた大正11年度池小卒業生(池区編『池の歴史』)1923年(大正12年)に関東大震災が起きた日、また台風の接近が増える時期であることから9月1日は災害についての認識を深め、日頃の備えを再確認するための日として防災の日に制定されています。 今月は災害時に持ち出すものの点検や近くの避難所の場所など、非常時に対する準備を改めて確認するようにしましょう。スペイン風邪予防ポスター ここからマスク着用が習慣化国立保健医療科学院図書館所蔵内務省衛生局著.流行性感冒.1922.3.表紙の写真死亡者(人)257,363127,6663,698388,727 「悪性感冒が流行し猛威をふるう」・・今の話ではない。伊東町新年会誌大正7(1918)年10月末の記述である。第一次大戦中のこの年、スペイン風邪と呼ぶ悪性インフルエンザが世界中に蔓延する。8月下旬に日本に上陸すると、2か月後には伊東にも襲来したのであった。 大正9年には対島村でも大流行。池小では2月21日から7日間休校して三密を避ける。区内の共同山林作業も5月に延期されて地域活動が停滞した。 小室村ではどうか。流行前の同6年は出産133人中4人が死産。だが、流行期の7〜9年には10人→12人→14人と激増する。乳児死亡も大正9年は前年より17人増え29人と突出した。 これが悪性感冒の影響とすれば、伊東では出産児・乳児・児童・成人までが広範囲に深刻な打撃を受けたことになる。 世界の死者は1700万〜5000万人。日本では流行期の大正7〜9年に計38万8727人が死亡。これは日露戦争死者数の4.6倍であった。 まるで、感染症と戦う「もう一つの世界大戦」が起きたようだ。政府は人口の1割弱にワクチンなどを予防接種する。ラジオもない時代なので右上のようなポスター計2億5千万枚を作成して注意を促す。マスク着用はこれを機に定着して今日につながったのであった。     伊東での実態をさらに解明して、次に生かす教訓を地域の中に見いだしたい。   〈加藤 好一〉「いで湯っこ市場」営農相談デー実施 7月から毎週木曜日に「いで湯っこ市場」出荷者対象の営農相談デーを実施しています。詳細は特集「営農販売課、更なる一歩へ!」をご覧下さい。9月1日は防災の日40新スペイン風邪伊東を襲う

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