広報いとう11月号他
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よしだつのり詳しくは各支店または営農販売課(0557-45-6585)まえばたけ地元の野菜で賑わういで湯っこ市場むらかがみ表紙の写真 〈加藤 好一〉伊東市稲刈りの様子 伊東市では8月下旬から稲刈りが始まりました。収穫された米はいで湯っこ市場でも販売しています。気になる方はいで湯っこ市場(電話:057-44-5050)までお問合せ下さい。日本で唯一の日刊農業専門紙 日本農業新聞を購読しませんか?伊東市「鎌田ミカンに荻ダイコン 十足ゴボウに池の芋 吉田清水で煮て食いてえ」 これは伊東の農産物を挙げた古くからのことばである。その背景には何があるのか。まず幕末の『鎌田村鑑』をみると、331年前の元禄2年に「ミカン年貢免除」とあった。なるほど。これほど昔から特産物として保護されていたので「鎌田ミカン」なのかと納得した。 十足ゴボウはどうか。『伊東市の民俗』(市教委刊)には[前畑は窪んだ場所に土砂が堆積し、作土が深く土壌がよく肥え、ここで採れたゴボウはうまいと評判」との古老の話があった。長いものは1m半もあり、突き鍬で苦労して掘ったという。 一方、大正13年生まれの池区民は、畑が火山灰土のためか「よその土地で作るとへこんだりするが、池の芋はふっくら。食べるとほこほこしておいしい」と言う。そうか。そこで「十足ゴボウに池の芋」 また荻区では、台地上の角折などで黒ボクの土に適したダイコン等がよく育った。  吉田はかつて「葦田」というほど多くの湿地があった。「諏訪神社の上の方から水が結構流れ出て、昔は水車が回るほど」「沢からの水を男堤・女堤という池に溜めて使った」と古老は懐かしむ。 こうした「吉田清水」で煮炊きすれば伊東の名産はさらに美味しくなったであろう。 なぜそれがそこにあるか。古いことばにこめられた昔の伊東農業の多様性と特性を、私たちは今こそ見つめ直したい。42新十足ゴボウに池の芋

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