広報いとう2021年2月号+α
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表紙の写真やまももを収穫する戦前の女性(竹田信一著「続伊東百年」より)静岡県のJAグループは県内で初めて農業専門求人サイト「しずおかの農業で働こう」を開設しました。お問い合わせは営農販売課(0557-45-6585)まで。直売所を支える母娘〜伊東の女性は今も頑張る〜これ12月5日(土)から「Is land Ruby Juice(アイランドルビージュース)」が販売されました。 「アイランドルビージュース」はいで湯っこ市場、いで湯っこ市場マリンタウン店で購入することができます。詳細はP7あいら伊豆ニュースをご参照ください。 日露戦争前年の明治36(1903)年、伊東小同窓会誌『如蘭』春季号に伊東のおかみさんたちの寸評が載った。 まず新井など浜方では「家の統括は一切主婦の権利内」で、内外の交渉も一手に司るという。なぜそんなに強いかと言えば、漁村では男が獲った魚を売りに行くのは女の仕事。「口も八丁手も八丁」で売らなければ魚はすぐに傷む。収入も当然おかみさんが管理したからであった。  他方、松原・湯川など温泉場のおかみさんの「耳は兎、口は燕」。街の最新の噂を常にとらえ、時にはおしゃべりが過ぎて亭主の仕事をぶち壊すという。「一二のシークレットラブがなくては伊東の女たる資格に満たず」、「然し薄のろの亭主は知らぬが仏」と筆者は言う。それに対し、男同様の農作業と家事を黙々とこなす「不言実行家」の女性は鎌田など農村部に多い。明治の伊東の女性はまさに十人十色であった。 「戦前の女性は無権利で男に従うだけ」と私たちは教わった。だが、伊東をみると「家や社会で大きな役割を果たしていたのに法律上は無権利。だから女性の権利向上運動が起きた」と考えた方がよい。 「伊東の婦人はなかなか男子よりも権力強く候」「伊東は男子の住むべき所に之なく候」と筆者は苦笑するが、その眼差しは温かい。 おかみさんが頑張る明治の時代は、伊東の男も案外幸せであったのかもしれない。  〈加藤 好一〉静岡県下JAグループ求人サイト「しずおかの農業で働こう!」を活用してみませんか?伊東市45がんばれ 明治のおかみさん新

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