まどか photo俳句集 No.13
190/242

錦市場若沖絵画生き生きと 伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)は京都錦の青物問屋に生まれた。若冲が描く絵画のなかには蕪、大根、レンコン、茄子、カボチャなどが描かれ、菜蟲譜という巻物には、野菜だけではなく柘榴や蜜柑、桃といった果物までが描かれている。若冲は、次弟に家督を譲って、錦で絵画三昧の生活を送っていたとされていた。しかし、近年、「京都錦小路青物市場記録」という新資料が発見された。これは、明和8年(1771)から安永3年(1774)までの錦市場の動向を伝える史料。これによると、若冲は、錦市場の営業認可をめぐって、じつに細やかに、かつ、積極的に調整活動をおこなっている。その結果、錦市場は窮状を脱することになるのだが、若冲のこのような実務的な側面は、これまでまったく知られていなかった。若冲は、文字通り青物問屋の主人として錦市場に生きていたのである。(http://www.kyoto-nishiki.or.jp/jakuchu.html)photo from photo-ac

元のページ  ../index.html#190

このブックを見る