日本人が愛した大豆の食文化 大豆は大陸から縄文時代に伝わったとされています。仏教伝来以来、日本人は徐々に肉を食べなくなりますが、そんな日本人の肉体をささえたのが、たんぱく質豊富で畑の肉とさえ呼ばれた大豆です。日本料理には欠かせない味噌、醤油は大豆から作られます。さらに豆腐。その豆腐を油で揚げた厚揚げ、油揚げ、さらに高野豆腐、きな粉などなど、日本人はさまざまな方法で大豆を使って料理を食べてきました。 大豆の原産地は中国北部かシベリヤあたりといわれ、日本には前述の通り縄文時代。以来日本人は大豆を食べ続けた。大豆をヨーロッパに伝えたのは、江戸時代中期に日本にやってきたドイツ人医師ケンペルである。ケンペルは『犬公方』や『生類憐れみの令』で有名な五代将軍徳川綱吉と謁見しているが、この人物が大豆をヨーロッパに持ち帰り、そのおかげで数多くの大豆を使った料理が生まれることになります。大豆なくして日本料理はありえないヨーロッパへは日本から大豆が伝わった288
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