おもしろコラム 巨椋 修
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駄菓子屋がもっとも輝いていたのは昭和の時代でありましょう。第二次世界大戦が終わり、日本は敗戦。でも日本人はがんばりました。戦後しばらくして高度成長期がきます。この時代が駄菓子と駄菓子屋の全盛期であったかも知れません。  しかし昭和末期になると、駄菓子屋に大きなライバルが現れます。それはコンビニエンスストア。この新しいスタイルの店舗は、まるで外来種の動植物が在来種の動植物を駆逐するがごとくの勢いで、駄菓子屋のみならず他の小売店を飲み込んでいきました。子どものコミュニケーションの場であった駄菓子屋はどんどん減り、子どもたちはコンビニで駄菓子を買うようになります。しかし駄菓子屋がなくなってしまったというわけではありません。都会には新しい駄菓子屋が生まれてきました。そのお客は子どもだけではありませんでした。昭和を懐かしむ大人たちも集まってきたのです。中には子どもは入れない『駄菓子居酒屋』や『駄菓子バー』といったお酒を楽しむ場まで生まれました。また、町の駄菓子屋に来るのは子どもとは限らなくなりました。大人が子どもたちにまじって懐かしい駄菓子やおもちゃを買いあさるのです。そして指をくわえる子どもの横で一気に大人買い! い経済力にものをいわせて駄菓子などをまとめてどーんと買ってしまうことをいうのですが、これをやっちゃう。大人買いというのは子どもにはな昭和が駄菓子屋の全盛期だったのかもいまや懐古趣味となった駄菓子屋293       

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