・文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵
・/絵:吉田たつちか
・発行:2021年3月
*挿絵入りコラムの単品販売です。
*画像をクリックしてショップでお買い上げください。
*ダウンロード販売です。
今回のような突発的で、未知の病原体の世界的な流行になると私たちはそれぞれの立場でそれぞれの怒り、悲しみ、恐怖、不安を感じ、ストレスが増加、日常生活の混乱が起こるのは、極めて当然のことです。
しかしながら、ここで緊迫感に満ちた報道によって、受けたままの感情に走ってしまえば、必ずパニックが発生します。皆が皆「疑心暗鬼」では、誰も信用出来なくなります。人間社会は基本的に相互信頼の秩序で守られていますから、無秩序では誰も守ることも救うことも出来ません。
私たち人間としてのとるべき態度や行動は、感情に走り過ぎず適度な理性を以て、偏りのない中立的な観点で正しい状況を把握し、互いに交流・協力し合って病原体の侵襲を防ぐ事ではないでしょうか。
社会的な秩序は、一人一人の愛情から生まれる内面の秩序から保たれます。まずは自分自身の感情と理性を冷静にコントロールしましょう。
情報の量は、少なすぎても多すぎても不安な気持ちを増幅します。確かな情報が得られず迷いが決断を邪魔することになるからです。口伝やラジオのニュースは耳で受け取ります。新聞は文章で、TVは音声と動画で受け取ることが出来ます。伝える人の意図が事実に加えられます。脚色されて報じられる事もあります。大げさな報道や一方的な偏見が感じられる報道も見受けられます。デマの発生というのは、悪意を持って秩序を混乱させるのが目的ですので、反社会的テロ行為と云えます。ですから情報量は、少なからず多からず、質的には余計な装飾を取り除き、不正確だったり仮説だったり、予想だったり、確実でないものでしたら排除するようにしましょう。何故なら不確実な問題は、どれだけ考えても不確実な答えしか出ないからです。
自分で情報を吟味し取捨選択しないと、情報に振り回されて不安を煽ることになります。もし家族の気持ちが動揺していると感じられるなら、とりあえず報道メディアを見たり聞いたりする回数・時間を減らすことで、心配と動揺を抑えてください。一人では不安感は増幅しやすい。あなた自身が不安に圧倒されていると感じたら、カウンセラーや信頼できる人に相談してください。信頼できる人と話すことは不安感から解放される助けになります。一人暮らしの友達や離れている家族とも、お互いにコミュニケーションを取って、孤独感を和らげてください。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)21-03