*当店では挿絵入りコラムを800本以上在庫(毎月4本増加)しています。貴社のチラシや社内報などに使えるよう単品での販売もおこなっております。
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失意の時の友こそ真の友  

・文:小説家 池田平太郎
・/絵:吉田たつちか
・発行:2020年11月

*挿絵入りコラムの単品販売です。


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 西郷隆盛や岩崎彌太郎といった人は、それぞれ、島津斉彬、吉田東洋という人に見出され、密偵のようなところからスタートした人ですが、密偵の資質としては、頭脳と度胸・・・ともう一つ、悪い情報でも上に上げる剛腹さがあります。この点を、フン族を率いたアッティラ大王は「悪い報告をした部下を褒めよ。悪い報告をしなかった部下を罰せよ」と言ったと。しかし、いつの時代も、上司が不機嫌になる報告というのは、たとえ、後で問題になるとわかっていても上げたくないのが人情。結果、放っておくとトップには耳障りな話、まずい話というのは入ってこなくなり、気がつけば、裸の王様になっている・・・。
 この点を憂慮し、黒田如水の黒田家では、殿様が「裸の殿様」にならないように、重役会議の席上で殿様に耳が痛い話をする「腹立てずの会」というのをやったそうです。でも、まさか智将如水に文句は出ないだろう・・・と思っていたら、結構、出たそうで、それが、「人の話を最後まで聞け」だったとか。(名将・小早川隆景は如水に対し、「貴殿はあまりに頭が良く、物事を即断即決してしまうから後悔することも多い。私は貴殿ほど優秀ではないので、十分に時間をかけたうえで判断するから案外後悔が少ない」と言ったとか。田中角栄も同様のことで盟友・大平正芳からたしなめられたという話も。頭の回転が速い人には共通する現象なのでしょう。)
 で、この腹立てずの会ですが、結局、長続きはしていないんですね。やはりトップに対して嫌ごとを言うのは勇気がいることで、普段、「悪い情報を伝えろ」と言っている人に限って、いざ、伝えたらと怒る・・・と。(ある医学部教授が「手術で私の腕に衰えが見えたら言ってくれ。第一線を退く」と言ったので、衰えを指摘したらすぐに飛ばされた・・・という話も。)部下も自分がバカ見るなら言うだけ損で、トップの側が我慢強く維持していくことを留意しないと・・・。
 一方、三十代の徳川家康は、武田信玄と激闘を繰り広げている間、殆ど主要家臣に裏切り者を出していないんですね。恐るべき統率力です。その秘訣の一端を垣間見る話があり、家康が腹心の家臣と打ち合わせ中、別の家臣が意見具申に来たところ、家康は打ち合わせを中断して話を聞いたと。で、その家臣が退出した後、腹心が「別に大した意見ではなかったですな」と言ったら、家康は「わかっている。用いる、用いないは別として聞いてやらないと言ってこなくなる」と言ったとか。しかし、実際には、家康もかなり面倒臭かったはず。ただ、少なくとも、すぐに「それはわかってる」と言う如水とは対照的で、こと辛抱という点では家康が一枚上だったということかと。

(小説家 池田平太郎)2020-11

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