・文:ジャーナリスト 井上勝彦
・/絵:吉田たつちか
・発行:2021年4月
*挿絵入りコラムの単品販売です。
*画像をクリックしてショップでお買い上げください。
*ダウンロード販売です。
コロナ禍で自粛期間が長引いている昨今、大人が自主的に学び直しをする「独学」あるいは「独学術」がブームになっている。その種の啓発本、案内本も数多く出版されている。
そういう小生も、酒場を徘徊する機会がめっきり減っている。このままスティホームを続けていたら身体の老化はもとより脳も老化・退化してしまいかねない。
独学の定義は色々あるが、要は好きな学びを好きな時、好きなだけやるということで、これで何かの資格をとるとか、何かをマスターするのではなく、気軽に、知的好奇心を満足させればいい、自己流の学び方でいいそうだ。
幸い、昨今のインターネットの高速化、You Tubeを始めとする映像発信の容易さから、無料か廉価で独学できる機会が増えている。
小生が今はまっているのが、1話10分で学ぶテンミニッツTV(//10mtv.jp/)だ。あらゆるジャンルに一流の学者・講師陣が揃っており、長年の研究成果をおしみなく発信している。これほど多くの学びを提供しているにもかかわらず、費用は月額1,250円(税抜)で見放題と、本1冊にも満たない金額なのもいい。
この講座を見ると、多くの講師が本棚をバックにして講義をしている。電子ブック化が進んでいるといえども、やはり紙の書籍が書棚に収められていると安心感がある。小生が細々と営業しているTEBRA書店でも、最近はぶ厚い書籍の売れ行きがイマイチであるが、年鑑や事典、データー集などのぶ厚い本は、はったりでもいいから、買い求めて本棚に置いてほしいものだ。
AIの進歩によって、将来(25年後)無くなるかもしれない職業の一つである弁護士だが、その事務所には今でも、判例集などの分厚い本が整然と置いてある。最近は、判例もネットで調べる方が多いのだが、ハッタリの意味もあって置いているという。
コロナで、大学生が1年以上もオンライン授業を余儀なくされているというが、大学卒という資格取得が目的でなければ独学の方がずっと濃い授業が受けられる。今後、大学のありかたも大きく変わるに違いない。
独学で人生を切り開いた人として有名なのがテスラ・モーターズとスペースXのCEOを務めるイーロン・マスク氏だ。そういえば、現代の大富豪の多くは、自分の人生の目的を知覚したら、だらだらと無駄に大学にとどまらず、中退を厭わず、起業するのだそうだ。
独学にはまれば、コロナに負へている暇もない。
ちなみに、東大や京大には合格できなくても、これらの大学の授業の一部も今はYou Tubeで受講できる。
・東大TV / UTokyo TV(https://www.youtube.com/channel/UCGkctuF55veBi7xDGCgcYkw)
・Kyoto-U OCW(https://www.youtube.com/user/KyoDaiOcw)
(ジャーナリスト 井上勝彦)21-04