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日本人と食パン  

・文:食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ)
・/絵:吉田たつちか
・発行:2020年12月

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●なぜ食パンというのか?
 不思議に思ったことはありませんか? 「なぜ食パンは、ただのパンではなく【食】パンというのか?」 勘のいい方はお気づきかと思いますが、それは菓子パンがあるからです。
 日本においてパンは食事のためというより先に、お菓子としてのパンが普及しました。その第一号は、あんパン。作ったのは銀座木村屋(現・木村屋總本店)創業者、木村安兵衛・英三郎親子。
 木村屋のあんパンは、宮内庁御用達になるのですが、あんパンを明治天皇におすすめしたのが、幕末の剣豪で勝海舟の親友明治天皇の教育係をやっていた山岡鉄舟です。明治天皇はあんパンをたいそうお好みになりましたが、これがなければ日本のパンの歴史は変わっていたかもしれません。
 明治7年生まれのあんパンは、西洋からやってきたパンと日本の甘味が合わさったこの食べ物は、まさに文明開化・和洋折衷の明治を代表する作品といえるかも知れません。
 続く菓子パンは明治33年、やはり銀座木村屋三代目・儀四郎が発明しました。当時のジャムはイチコではなくアンズジャムだったそうな。
 明治37年には新宿中村屋の創業者シュークリームを発明と日本のパンは菓子パンから広まっていき、菓子パンの次に食事用のパンが広まったことから、食パンと呼ばれるようになりました。

●明治時代、食パンは好まれなかった
 実は明治時代の日本人は、食パンを好まなかったのです。「バタ臭い」という言葉をご存じでしょうか? 若い人はもうほとんど使わない言葉だと思います。いまでは「西洋風でカッコイイ」といったニュアンスで使う人もいるようですが本来の意味は「バター臭い」です。
 明治時代の日本人にとって、食パンにつけるバターの臭いが合わなかったようなのです。
まあ、当時日本人が食べていたサンマの塩焼き、湯豆腐、お新香などとパンは、いまの人でもあまり食べないでしょう。

●栄養改善のためにパンを
 終戦後、農水省は、農村の食生活改善のため栄養指導車(キッチンカー)を使って、料理や栄養について教える活動をしています。なぜ農村かというと、戦前は雑穀やイモが主食だったのが、戦争中の配給制度でご飯ばかり食べ、おかずが少ない食事になっていたのです。
 そこでパンをすすめてみたら、忙しいときにカンタンに食べられると、意外にも好評だったといいます。
 また、日本人がパンを食べるようになる大きなキッカケだったのが、学校給食のコッペパン。戦後、GHQは学校給食をごはんとみそ汁でと考えていたようですが、それを日本側がパン食を望んだといいます。ちょっと意外な話ですが、理由は戦後の物資不足で、大勢いる児童生徒の人数分を炊く大鍋がない。コメもない。パンなら食器を洗う手間もいらない。パンの材料であるコムギならアメリカからの食量援助で手に入るというわけです。

●いま一番パン好きな年代は中高年
 総務省統計局が2012~2015年の1人当たりどの年代の人がもっともパンを購入したかというデータがあります。
 このデータによると、もっともたくさんパンを買っていたのが70代、次いで60代と50代、どうやら年齢が高くなるほどパンを買っているようで、当然、もっとも少なかったのが20代。
 いまの中高年は、子どもの頃に毎日学校給食を食べていた世代で、1976年から給食にご飯が導入。その後給食のご飯はどんどん増えていきました。
 いま日本人のご飯離れが問題となっているのですが、これは昔のようなご飯のドカ食いが減ったうえ、パンや麺類、おかずの充実が原因です。今後はご飯食が増えてパン食が減ってくる時代が来るのかも知れませんね。
(食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ))2020-12

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